最高裁判所第二小法廷 昭和50年(行ツ)88号 判決 1976年2月20日
上告人 明魯善
被上告人 大津税務署長
主文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理由
上告代理人中川一郎、同太田全彦の上告理由について
所得税法施行規則六三条は、青色申告者の帳簿書類の保存期間を五年としているが、所得税法の定める青色申告の承認及びその取消制度の趣旨に徴して考えると、青色申告者のある年における帳簿書類につき同法一五〇条一項各号のいずれかに該当する理由が存する以上、その帳簿書類の保存期間が経過したからといつて、当然に右事由に基づく青色申告承認の取消をすることができなくなると解すべき理由はない。論旨は、右と異なる独自の見解に立つて原判決の違法をいうものにすぎず、採用することができない。
よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
(裁判官 吉田豊 岡原昌男 大塚喜一郎 本林譲)
上告理由
原判決は、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違背がある。
すなわち、原判決には、青色申告者の青色申告承認の取消しに関する所得税法一五〇条一項の解釈を誤つた違法がある。
青色申告承認の取消権については、除斥期間の定めがないから、当該取消権が発生した場合には、一応期間の制限なしに、いつでもこれを行使することができるわけである。しかも、取消権が行使されると、所得税法一五〇条一項各号に定める取消事由が存在する年まで遡つて取消しの法効果を生じ、その年分以後の提出に係る青色申告書は、青色申告書以外の申告書とみなされる。このような取消しの遡及効のため、取消権の発生後、期間の制限なしにその行使を永久に認めることは、著しく法的安定性を害し、税法秩序の攪乱となる。したがつて、青色申告承認の取消権について、除斥期間の定めがないからといつて、当該取消権の行使を期間の制限なしに認めることは、税法秩序内に税法秩序そのものの存続を否定するものを認めることであり、それは自己矛盾であつて許されない。必然的に、かかる自己矛盾存立を排除するような合理的解釈を探求しなければならないのである。そこで、上告人訴訟代理人らは、第一審以来、青色申告承認取消権の行使に実質的に期間制限の存在するような合理的解釈を探求し、当該取消権の成立要件として、所得税法一五〇条一項各号に定める取消事由が五年の保存義務期間を経過していない青色申告者の帳簿書類に存在することを必要とすると主張してきたのである。しかるに、これに対し、第一審のみならず、原審も、かかる合理的解釈をなさんとすることに対して一顧だにせず、わずかに権利濫用の法理により、上述の矛盾を次に掲げる判示のごとく排除せんとするのである。
「ある年の違反事由が比較的軽微であり、しかも、その後相当の期間が経過している場合であるとか、或は、ある年の違反事由が比較的重大であつてもその後誠実な帳簿書類が長期間に亘つて作成されているような場合にまで違反時にさかのぼつて承認を取り消すことが権利の濫用として相当でない事例は考えられる。」(原判決八枚目裏五行目から一〇行目まで)
第一審判決もさることながら、原判決がこのように権利濫用論を持ち出すことは、青色申告承認取消権行使に期間の制限を付さない形式的な解釈が、自己矛盾を包蔵し、税法秩序を破壊するものであること、したがつてこれを何らかの方法で解決しなければならないことを十分自認しているものといわなければならない。しかし、その解決方法として、一般条項である権利濫用論へ逃避することは、合理的かつ公正な解決を達成することはできない。一般条項であり、具体的な公正な基準を欠くがゆえに、判決の恣意性を払拭することは不可能である。それにもかかわらず、原判決があえて合理的解釈に努めないことは、本件被上告人の青色申告承認取消処分を適法処分であると判決せんがためであると考えなければならない。上告人は、脱税をしている者であり、かかる者に対する青色申告承認取消処分を、単に手続上の問題によつて違法処分であるとすることは、公平課税の見地からも絶対に許されないという考え方を基礎としていることは、原判決の次のような判示からもうかがうことができる。
「青色申告制度は、誠実で信頼性のある帳簿書類の記帳を約束した納税者が、その帳簿書類に基づいて所得額を正しく算出して納税申告をすることを期待し、納税者に各種の特典を付与するものであるから、この期待を裏切つた納税者が右特典を剥奪されることは法の当然予定するところといわねばならない。本件においても問題の帳簿書類の保存期間内に国税局の調査が行なわれ、法一五〇条一項三号違反の事由が発見したのであるから、遅くともこの時点においては、すでに青色申告承認を取り消すことのできる法律関係は発生したわけである。またその後の経過は前項1ないし6のとおりであるからこの経過のもとにおいて再度の取消処分を受けても、これは、元来取り消されるべき青色申告承認が取り消されたにすぎないと見るべきであつて前記のごとく一たん発生した右取消権につき、時効ないし除斥期間の定めがない以上、巳むを得ないところである。」(原判決八枚目表から裏四行目まで)
このように原判決は、脱税者である青色申告者は、青色申告制度の趣旨に徴し、青色申告者の特典を当然剥奪されるべきものであり、所得税法は当然そのことを予定していると判示し、本件において納税者の帳簿書類の保存期間内に国税局の調査が行われ、所得税法一五〇条一項三号違反の事由が発覚したのであるから、遅くとも査察によるこの違反事由の発覚の時点においては、すでに青色申告承認を取り消すことができる法律関係は発生していたわけである。と判示している。まさにこの点は、原判決の判示するとおりである。しかし、本件において、青色申告承認は、その時点において取消されなかつたのである。いかに青色申告承認取消権が発生していても、当該取消権が行使されるまでは、取消しの法効果は発生せず、納税者は依然として青色申告者なのである。脱税者の場合、脱税が発覚すれば、その時点において当然に青色申告者に与えられる特典は剥奪され、青色申告承認取消処分は、事後における青色申告者に与えられる特典剥奪の単なる確認行為なのではない。あくまで青色申告承認取消処分がなされて初めて青色申告の承認が取り消されるのであつて、当該取消処分は、確認処分ではなく、形成処分である。取消処分が裁量処分であること、並びに所得税法一五〇条二項が、取消処分通知書には、取消の事由となつた具体的事実の記載を要求し、万一かかる記載を欠く場合に当該取消処分が違法処分として無効になることを考え合わせるならば、到底青色申告承認取消処分をもつて確認処分であると考えることはできない。この点、原判決の趣旨は、前掲判示に照らすも、必ずしも定かでないが、「一たん発生した右取消権つき、時効ないし除斥期間の定めがない以上、已むを得ないところである。」と判示して、取消権の期間制限につき合理的解釈に努めないのは、青色申告承認取消処分をもつて、事後確認処分であると誤認していることによるものと考える外はない。
なお、右判示において注目すべきは、「本件においても問題の帳簿書類の保存期間内に国税局の調査が行なわれ」と判示していることである。後述のごとく、上告人訴訟代理人らは、青色申告承認取消権の成立要件として、取消事由たる所得税法一五〇条一項各号に定める事実が、当該青色申告者の保存義務期間経過前の帳簿書類に存在することを要すると主張するのであるが、これを否定する原判決が、いかなる理由により、「帳簿書類の保存期間内に国税局の調査が行なわれ」と、青色申告承認取消権について、特にその関連性を否定する「帳簿書類の保存期間」をわざわざ判示中に持出すのか理解することができない。「帳簿書類の保存期間」との関連性を否定する限り、事実の記載にすぎないとしても、調査が行われたのが、帳簿書類の保存期間内であるか否かは、記載するに価いしない。それを特に、調査が帳簿書類の保存期間内に行われたことを判示中に記載していることは、「帳簿書類の保存期間」と青色申告承認取消権との関連性を否定しながらも、その否定自体と矛盾するところの調査が帳簿書類の保存期間内に行われていることを特筆することによつて、判決をいささかでも説得力あらしめようとするものであると考えざるを得ない。それは、本件青色申告承認取消処分を適法化するために、帳簿書類の保在期間との関連性を否定したものの、あらゆる場合に全面的に否定することはできないことの告白に外ならない。
原判決は、次に本件青色申告承認取消処分は帳簿書類保存期間経過後一年二月余を経過した時点においてなされたものであるが、これを適法処分であると解することは、未だもつて法的安定性を害する解釈であると見ることはできない、と次のように判示している。
「本件の場合、被控訴人の主張するところによると、控訴人が昭和四三年一〇月国税査察官の調査を受けた結果、昭和四〇年分から昭和四二年分までの所得税に関し、判明した違反事実の内容、……((1) (2) (3) 省略)……との事実あり、これを法一五〇条一項三号に該当するものとして本件取消処分をなしたというのであるが、控訴人は右取消処分に対し帳簿書類の保存経過による手続上の違法を主張するのみで、右実質的取消事由を争う趣旨は全く認められないから、控訴人も右実質的取消事由そのものを明らかに争わないものと解するほかない。してみると、その違反事由は相当悪質なものである上、昭和四〇年分だけでなくその後の二年分にもわたつており。しかも本件取消処分は……<省略>……昭和四〇年分の帳簿書類保存期間を一年二月余経過した時点においてなされたものであつてそれほど長期間経過後の処分とはいえないことに照らすとき、単に五年の帳簿書類保存期間経過後の故をもつて直ちに本件取消処分を違法とすることはできないと解しても法的安定性を害する解釈と見るに当らないし、その他原審および当審における控訴人の主張を精査しても、本件取消処分を違法とする根拠を見出すことはできない。」(原判決八枚目裏一一行目から一〇枚目表七行目まで)
判示中に、「控訴人は、右取消処分に対し帳簿書類の保存期間経過による手続上の違法を主張するのみで、右実質的取消事由を争う趣旨とは全く認められないから、控訴人も右実質的取消事由そのものを明らかに争わないものと解するほかない。」との判示がある。しかし、上告人訴訟代理人らは、本件取消処分の違法を主張するには、上告人の保存期間を経過した帳簿書類に取消事由に該当する事実が存在するだけでは、未だ当該取消権自体が成立せず、したがつて取消事由そのものまで争う必要がないと考え、争点を明確にするため、特に争わなかつたのである。しかるに、判決は、上告人らのこの後述する主張に対しては、何ら応答することなく、「してみると、その違反事由は相当悪質なものである上、」ときめつけ「昭和四〇年分だけでなくその後の二年分にもわたつており」判示している。あたかも、悪質な違反者は、五年の保存期間経過前の帳簿書類に取消事由が存在することが青色申告承認取消権の成立要件であることを主張することができないような表現である。どうして悪質な違反者は、手続上の瑕疵について何らの主張もできないのか、その法的根拠を見出すことはできない。
次に判示は、ここでも青色申告承認取消処分と帳簿書類の保存期間との関連性を否定しながら、敢えて帳簿書類の保存期間を基準として、「本件取消処分は、……(中略)……昭和四〇年分の帳簿書類保存期間を一年二月余経過した時点においてなされたもめであつてそれほど長期間経過後の処分とはいえない……」と判示している。帳簿書類の保存期間との関連性を否定しておきながら、本件取消処分が法的安定性を害するものではないと判断するに際して、どうして帳簿書類の保存期間の経過時を基準点とするのか。これも、上告人訴訟代理人らが主張する青色申告承認取消権と帳簿書類の保存期間との関連性を全面的には否定し得ないことを明示しているものといわなければならない。
更に判決は、「本件取消処分は……昭和四〇年分の帳簿書類保存期間を一年二月余経過した時点においてされたものであつてそれほど長期間経過後の処分とはいえないことに照らすとき」と判示しているが、取消処分が何年経過後になされた場合に初めて長期間経過後の処分であると判断するのか、全くその合理的な説得力ある基準が示されていない。単に「それほど長期間経過後の処分とはいえない」と根拠ないし理由を明らかにせず、結論のみを示しているにすぎない。したがつて、これまた恣意的判断であると断ぜざるを得ない。
以上述べたように、原判決は、すべて本件取消処分を適法処分であると結論せんがための恣意的判示であるという外ない。したがつて上告人訴訟代理人らが主張するような保存期間経過前の帳簿書類に取消事由が存在することが青色申告承認取消権の成立要件であることを否定しても、果たして判示のごとく法的安定性を害しないか否か保し難いのである。
最後に上告人らの主張する青色申告承認取消権の成立要件についてであるが、これについては、訴状四頁一〇行目以下一三頁一〇行目まで、原告第一回準備書面及び第二回備準書面、並びに控訴人第一回準備書面に記載したところと同じであるから、ここにこれらの書面を引用する。これを要約すれば、次のとおりである。
遡及効を有する青色申告承認取消権には、除斥期間の定めがない。したがつて期間に制限なく、永久に取消権を行使し得るわけである。しかし、このようにいついつまでも遡及して取消権を行使することができると解したのでは、税法秩序を攪乱することになる。そこで税法秩序を攪乱しないように、法的安定性を確保するがために、取消権の行使に実質的に期間の制限を付すような合理的解釈が探求されなければならない。その方が取消権の行使に期間の制限を付さず、権利濫用の法理により税法秩序の攪乱を防衛せんとするよりは、はるかに合理的である。
そこでこの合理的解釈の手がかりになつたのは、所得税法施行規則(以下規則と略す。)六三条の定める青色申告者の帳簿書類の保存期間五年間である。商法三六条が、商人の商業帳簿及びその営業に関する重要書類の保存義務期間を一〇年間と法定しているのに対し、規則六三条一項は、その半分である五年間と定めている。したがつて青色申告制度全般に対し、帳簿書類のこの短期五年の保存義務期間は、極めて重要な意義をもつものと考えなければならない。すなわち、所得税法は、あらゆる場合に、青色申告者の帳簿書類は五年間保存されているにすぎないことを予定しているのであつて、たとえこの五年の保存義務期間経過後引続き保存されていても、かかる帳簿書類は所得税法上全く問題とされないのである。すなわち、仮に保存義務期間経過後引続き保存されていても、かかる帳簿書類は、所得税法上調査の対象となり得ないのである。事実上かかる帳簿書類の調査がなされても、その調査の結果を所得税法上の法効果に結び付けることは認められない。換言すれば、帳簿書類の調査により判明した事実は、所得税法上の要件事実とはなり得ないのである。なんとなれば、その帳簿書類は、所得税法上もはや存在しないものとして取り扱われ、全く問題とされないからである。
そこでかかる保存義務期間経過後の帳簿書類に所得税法一五〇条一項各号のいずれかに該当する事実があつても、青色申告承認の取消事由にすることはできないのである。すなわち、青色申告承認を取消し得るがためには、保存義務経過前の帳簿書類を調査の結果、青色申告承認取消事由に該当する事実が当該帳簿書類に存在しなければならない。したがつて保存義務期間経過前の帳簿書類に青色申告承認の取消事由に該当する事実が存在することが、青色申告承認取消権の成立要件であると解さなければならないのである。
帳簿書類の保存義務期間が経過しているか否かの判定基準時は、取消処分通知書が被処分者に到達した時であつて、帳簿書類の調査時ではない。帳簿書類の調査が行われても、必ずしも取消されるとは限らないから、取消処分があつた時、したがつて被処分者に取消処分通知書が到達したときに、未だ帳簿書類の保存義務期間が満了していないことを要するのである。
このように解釈することは、決して除斥期間の定めがないのにもかかわらず、解釈によつて除斥期間を設けたことにはならない。青色申告承認取消権が成立していないから、当該取消権を行使することができないのにすぎないのである。しかし、かかる解釈をすることによつて、除斥期間の定めのない青色申告承認取消権の行使を、取消権が成立していないということにより実質的には、期間的制限をなすことができるのである。
既に前述したように、原判決のごとく、帳簿書類の保存期間経過前に調査をしておくならば、青色申告承認取消権には、除斥期間の定めがないから、当該取消権を期間の制限なく、いついつまでも行使し得ると解釈することが、当該取消権行使に実質上期間制限を付したことはならず、合理的な解釈であるということはできない。したがつて帳簿書類の調査時にではなく、青色申告承認取消処分通知書が青色申告者である被処分者に到達した時に、当該帳簿書類の保存期間が未だ経過していないことが、青色申告承認取消権の成立要件として必要であると解さなければならない。
原判決は、所得税法一五〇条一項の解釈にあたり、かかる合理的解釈を斥け、ひたすら青色申告承認取消権に除斥期間の定めがないことのみを理由に、被上告人のなした本件青色申告承認取消処分を適法処分であると判示したのは、同法条項の解釈を誤つたものであり、しかも判決の基礎に影響を及ぼすことが大であるから、原判決は違法として取消されるべきものである。
最後に、本件につき青色申告承認取消処分の場合における付記理由の追完が許されるかについて付言しよう。
被上告人は、上告人に対し昭和四四年五月一二日付をもつて青色申告承認取消処分(以下「当初取消処分」と略す。)をしたが、この当初取消処分の通知書の「取消処分の基因」欄には、「所得税法第一五〇条第一項 号該当」と記載され、「第三号」の号数を脱漏していた。そこで上告人は、所定の手続を経た上、当初取消処分の取消しを求める訴訟を提起した。被上告人は、昭和四七年三月九日、理由記載の不備を認めて自ら当初取消処分を取消したので、右訴訟は上告人の取下げにより終了した。被上告人は、右同日付で取消処分の基因となつた該当条項号を「所得税法第一五〇条第一項第三号」と記載し、更に取消事由の具体的事実を記載し、当初取消処分の理由付記不備の瑕疵を補正した上、当初取消処分と全く同様の本件取消処分をなしたのである。
かかる経過の下において、原判決は「この経過の下において再度の取消処分を受けても、これは、元来取り消されるべき青色申告承認が取り消されたに過ぎないとみるべきであつて」として、取消処分の理由付記の不備の追完を許すかのような判示をしている。
しかし、更正処分の理由付記については、除斥期間内であれば、何度でも再更正処分をすることができる法制度になつているから、除斥期間内であれば理由付記の追完も認められる。これとは異なり青色申告承認の取消しの場合には、その理由付記の追完は一切認められないと解すべきである。けだし、付記理由の追完がいつまでも許されるとするならば、理由付記の不備を理由に争い被告処分者勝訴の判決を得ることが無意味となる。処分庁は当初は理由を付記しないか、又は、不充分な理由を記載し、後に当該取消処分が争われるに至つてから、理由を追完すればよいというがいつまでも許されるとするならば、理由付記の不備を理由に争い被処分者勝訴の判決を得ることが無意味となる。処分庁は当初ことになるからである。したがつて青色申告承認取消しの場合には、その理由付記の追完は一切認められないと解すべきである。本件取消処分を適法とした原判決は結局実質的には理由付記不備の追完を認めたことに帰着し、法一五〇条の解釈を誤つた違法があるといわなければならない。原判決はこの点においても違法であるから取消されるべきである。